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【第1部】 第16話 王子と姫②

last update Terakhir Diperbarui: 2025-06-30 17:01:49

 なんだか、ずっとこの時を待っていたような……そんな高揚感に満たされていく。

「新婦流華、あなたはここにいるヘンリーを、病める時も健やかなる時も、富める時も貧しき時も、夫として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」

 熱く潤んだ眼差しに見つめられ、私の体は火照り、顔が熱くなった。

 こうなったら、付き合うしかない……よね。

 私は覚悟を決めた。

 これはメイドさんのため、と自分に言い聞かせる。

「はい……誓います」

「では、誓いのキスを」

 メイドが淡々とその言葉を発した。

「え?」

 私は驚き、ぽかんとした顔でメイドを見つめる。

 するとヘンリーが私の耳元で囁いた。

「僕たちが仲良くしているところを見たら、きっとメイドさんは満足して成仏できる」

 メイドはすごく期待した眼差しをこちらに向けている。

 本当にキスしたら、成仏できるの?

 っていうか、本当にキスするの?

 戸惑いの眼差しでヘンリーを見つめると、彼の顔がゆっくりと近づいてきた。

 なんでこうなるの?

 ええい、もうやけくそよ!

 私は観念し、目を閉じた。

 唇に柔らかなものが触れる。

 さらにヘンリーが私の体を強く抱きしめてきた。

 そのまましばらく何もできずに私は動きを止めていた。

 すると、調子に乗ったヘンリーが角度を変え、何どもキスを繰り返してくる。

 息が苦しくなってきて、私の堪忍袋の緒が切れそうになる。

「ちょ、いいかげんにっ」

 キスから逃れようとする私の頭を掴み固定すると、ヘンリーはまた私にキスしてくる。

「……っ、ちょっ……」

 私はヘンリーの腕の中で必死にもがきながら、キスから抜け出そうとする。

 しかし、上手くいかない。

 ヘンリーは歯止めがきかなくなったのか、私に無我夢中でむさぼりついてきた。

 しまいには、ヘンリーの舌が私の唇をこじ開けようとしてくるのを感じた。
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